ものづくり

紗の伊達締め「かすみ」発表です

2020/06/15

 

透きとおる伊達締め「かすみ」

オンラインショップにて好評発売中http://shop.nishimura-orimono.jp/?pid=151645356

 

透け感のある「紗」の織り技法

博多織伝統七品目のひとつ「もじり織り」技法で織られた、透け感のある「紗(しゃ)」の伊達締めです。

これまでの平織の伊達締めに比べると、風通しの良さとやわらかさを備えており、博多織の良さはそのままに、蒸れにくさと軽さを実現しました。

キュッと気持ち良く締まり、体にやさしく綺麗な襟元を保ちます。

カラー

「しらつゆ」まっ白                               水滴が夜明けに「露」となり、白く光り輝く瞬間をイメージしています。何色にも染まっていないからこそ際立つ絹の美しさと光沢を表現しました。

「はなあかり」アイボリーピンク                         満開の鮮やかな花々が、あたりの闇をほんのりと明るくする様子をイメージしています。やさしい光を表す地色に、ほんのりと可愛らしいカラーの献上柄をあわせました。

「すずかぜ」ごく淡いブルーグリーン                       うっすら青くみえる地色は涼しい風を、献上柄のあわい色目は草原の花々をイメージしています。涼風を身につけることで、気持ちもさわかやに心地良く。

今後も柄・カラー展開予定です。

 

文様

博多織独特のストライプ文様のモチーフには「独鈷・華皿」という仏教の法具が用いられており「魔除や厄除、繁栄」の象徴です。鎌倉時代に博多織の原点となる織物を中国・宋から持ち帰った満田弥三右衛門が、共に宋へ渡った臨済宗の僧・聖一国師の助言を受けて考案したとされています。のちに初代福岡藩主・黒田長政が博多織を江戸幕府へ献上したことから「献上柄」と呼ばれるようになりました。

古くから、人々を災いから守り繁栄へ導くという祈りが込められてきた博多織。   「透きとおる伊達締め かすみ」の「華皿」をモチーフにした軽やかなストライプ文様には、いつでも着物を着る人の「おまもり」でありたい、という願いが込められています。

素材

絹100% 経糸には、ブラタク社の高品質シルク糸を使用。しなやかな強さと上品な光沢が特徴です。

 

 

伝統工芸士・松尾信好 監修

「紗」の織物は準備工程も織の工程も難度が高く、昔から「織屋泣かせ」と言われてきました。帯と同様の高い技術で制作されている「透きとおった伊達締め かすみ」も例外ではありませんが、職人歴60年の伝統工芸士・松尾信好が全行程を監修。安定した品質で丁寧に仕上げています。 

 

 

HISTORY   西村織物の伊達締め

1861年の創業から160年の歴史のなかで、西村織物がやむなく操業を停止をした時期が一度だけありました。それは第二次世界大戦のとき、4代目当主・西村政太郎の出征、そして1945年6月の福岡大空襲により工場も焼失し、すべてを失いました。帰還した政太郎が戦後の困難な状況のなか、再興のためにまず始めたのは「手織りの伊達締め」づくりでした。その後手織りから機械織りへ、そして工場も再建、経済成長とともに発展と変化を遂げていきます。しっかりした質感と堅牢さ、締め心地の良さが評価され、「伊達締めと言えば博多織」といわれるようになりました。そして、1980年代には長い歴史で培った技術と貴重なアーカイブをを生かし、日本初の「紗の伊達締め」を開発、夏用のアイテムとして発売しました。近年では温暖化の影響や生活環境の変化もあり、「帯まわりを少しでも楽に涼しく、快適にしたい。」という着物ファンに季節を問わずご愛用いただいています。

 

ネーミングに込めた想い

“霞-かすみ”とは、日の出や日没に雲が美しくいろどられること、うすい雲のようにたなびいて、ものの姿をおおいかくすものという意味を持っています。外側からは見えないアイテムになりますが、内面から輝く美しい女性になれるように、ベールにおおわれた神秘的な美しさをまとっているようなアイテムになってほしい、という願いを込めました。

 

「伊達締め」が紡ぐ西村織物のものづくりをこれからも大切に、未来へと繋げてまいります。

 

中村

関連記事

博多織献上館 にしむら

〒818-0061 福岡県筑紫野市紫7-3-5

TEL | 092-922-7128

開館時間|10:00~17:00(ご予約制)

休館日|日曜日、 祝日、第2、4土曜日

電車でお越しのお客様

JR九州 | 鹿児島本線「二日市」駅より徒歩10分

西鉄 | 大牟田線「紫」駅より徒歩10分

車でお越しのお客様

県道112号線 旭町交差点から約1分

九州自動車道 筑紫野ICから約10分