西村織物の伝統と技術の粋を
現代のセンスでよみがえらせた伊達締め
「なないろ」が完成しました。
※こちらは西村織物オンラインショップ限定での販売となります
あざやかな色をふんだんにほどこした、こちらの贅沢な伊達締めは、
あらゆる世代が着物を着用していた昭和60年頃につくられたものを令和の配色にアップデートしたものです。
なぜ伊達締めを復刻しようと思ったのか、それは西村織物の原点に理由があります。
1861年の創業から160年の歴史のなかで、西村織物がやむなく操業を停止をした時期が一度だけありました。それは第二次世界大戦のとき。四代目当主・西村政太郎が戦後の困難な状況のなか、再興のためにまず手がけたのは「手織りの伊達締め」でした。
その後、手織りから機械織りへ、経済成長とともに発展と変化を遂げていきます。
しっかりとした質感と堅牢さ、締め心地の良さが評価され、「伊達締めと言えば博多織」といわれるようになりました。
そして、令和3年に160年を迎え、西村織物のものづくりの原点である伊達締めを、現代を生きるわたしたちの技術で復刻しようと決意しました。
膨大な伊達締めのアーカイブの裂から選んだのが「七色(なないろ)ボカシ」と名付けられた伊達締め。
当時の七色(なないろ)は虹色の可愛らしいイメージとは違い、厄除けの願いが込められており
厄年の女性を中心に人気を博したといいます。
今回は春夏秋冬をイメージし、伊達締めそのものに
興味を持っていただけるような配色にしています。
実はこの「なないろ」、全てに「ぼかし」を入れています。
博多織の工程の中でも一番の花形とされる「整経」。
この整経作業において通常よりも倍以上に時間と手間をかけて
職人の手わざが存分に発揮され、この美しい「ぼかし」を再現しました。
「伊達締め」が紡ぐ西村織物のものづくりをこれからも大切に、未来へと繋げてまいります。